大学を平成8年に卒業し、大学病院や公立病院に16年間勤務した後に現在のクリニックに来ました。専門は脳神経外科で、リハビリテーションについての教育もかなり受けて来たという経歴です。当院は、患者さんの高齢化率がとても高いので、もともとADLの悪い方が多く、それが透析治療に関しての大
きな課題になっています。
また、当院では訪問診療も行っており、訪問診療対象の患者さんもADLの悪い方が多いので、患者さんのADLをどうやって上げてゆくか、自立した生活が出来るようになるかということを大きな課題として日々取り組んでいます。
普段の治療において大切にしていることは、先ず患者さん自身が何を望んでいるかというところを汲み上げることで、また、もしそれ以上のことが出来そうであれば、それを患者さんに促してあげることです。例えば、「私はもう歩けないから、歩かなくてもいいんだ」と言われるような方に「まだまだ歩けますよ」と励ましながら歩かせるようにしてゆくことが重要で、それは介護をする側の負担を減らし患者さん自身の生活の自由度を上げることに繋がってゆきますので、そういったことを普段から留意して診療に注力しています。
以前、公立病院に勤務していたときの上司から「良い機械があるので是非使ってみては」と、G-TESを紹介していただいて、それでホーマーイオン研究所の方に来ていただいて現物を見てみたところ、「これは使えるぞ!」と思い、導入することにしました。
実際に使ってみると、それは非常に良いもので、現在も継続して使用しています。
基本的には、やはり歩行が困難な患者さんへの使用がいちばんになります。歩行が困難な患者さんの殆どは高齢の方で、その中にはどうしても日に日に歩行が難しくなってくる患者さんもいらっしゃいますので、そういった患者さんの歩行を守る意味でもG-TESを優先的に使用しています。
当院では、歩行のあやしい方や困難な方の院内の移動は車椅子でしてもらっているのですが、そのような方々もご自宅では歩いていらっしゃるので、転倒などされないようにG-TESを使って筋肉をつけてあげるようにしています。また、日頃から車椅子を使われている患者さんについても、車椅子からベッドへの移動の際に少しでも足に力が入ることによって、患者さんを介助する側も楽になりますので、やはりG-TESを優先的に使っています。
当院では、G-TESを使用する前後で筋肉の測定を行っているのですが、殆どの患者さんで1割から2割程度の筋力量の増加を確認出来ています。筋肉量の変化について、実際に患者さんからも効果を実感される声が聞こえますので、それを聞くと私たちも嬉しく思います。週3回透析を行う患者さんは、ご自身では筋肉量の変化に気付きにくいこともあるようですが、院外でリハビリをされている患者さんについては、そのリハビリのスタッフから「すごく動きが良くなったね、立ち上がりが早くなったね」と言われる方が多いようです。
基本的には透析時運動指導等加算で3か月間、75点を取っています。その後については、継続を希望される患者さんには消炎鎮痛処置で35点を取っています。
G-TESの使用については、基本的には透析の患者さんに行うのでリハビリの先生が関わることはあまりなく、あくまでも看護師と臨床工学技士が主体で行っています。透析時運動指導等加算での3か月間は、看護師がメインで行い、消炎鎮痛処置に関しては臨床工学技士がメインで行っています。
当クリニックは、患者さんとスタッフの距離が比較的近いクリニックで、スタッフが患者さんに対して常に「すごく良く出来ていますね、良くなっていますよ」といったお声がけをしています。そうすることが、患者さんのリハビリに対するモチベーションに繋がっていると思います。
また、看護師、技師、スタッフ全員が様々な業務にすごく前向きで、通常の業務に新しい業務が加わるといった場合でも臆することなく取り組んでいます。G-TESを導入したときも、皆興味を持って、試用してみたいという声も多くあり、皆やる気があってすごく良い職場環境だと思っています。
G-TESを使っていていちばん良かったと思うのは、患者さん自身がやる気を出してくれることで、患者さんに「G-TESをやって良かった」と言われると、私たちも報われている感じがあります。患者さんに、歳をとったから駄目だとか、怪我をしたからもう駄目だとか、これ以上良くならないと思われてしまうと、夢も希望も無いような感じになってしまうので、G-TESを使用することの効果にはすごく期待をしていますし、今後もどんどんと使ってゆきたいと思っています。
透析治療でのG-TESの活用方法としては、透析を始めてから大体30分から2時間の間に行うようにしています。これは、G-TESを使える患者さんの人数を考えてのことなのですが、G-TES1台に対してそれを使用できる患者さんの数は大体決まっているので、今後はG-TESの台数を増やして数人同時に使用でき
るようにすることも検討しています。G-TESがすごく良いものだということは実際に使ってみての実感がありますので、より多くの患者さんにG-TESを使って患者さんのQOLを上げてゆきたいと思っています。当クリニックで使用しているG-TESは、多分、現在のG-TESよりもひとつ前の機械なのかなと思うので、是非新しいものも試してみたいと思っています。新型のG-TESは、様々な改良がなされているということですので、そういったところでも新しい機械を使ってみたいと思っています。